10慮した橋梁設計、自然石の使用や親水性に配慮した護岸設計、フットライト、街路灯、植樹を配置した道路設計に携わっており、にぎわいのあるまちづくりに貢献しています。 2011(平成23)年春の九州新幹線全線開通ならびに新博多駅ビル開業に合わせて、新博多駅2階の歩行者デッキと博多バスターミナルとの直結、さらには空港通りをまたいで博多新三井ビル前の歩道を結ぶ博多駅ペデストリアンデッキ③を設計しました。 上部構造には桁高を低くできる鋼床版箱桁形式を採用することで、桁下に大型バスの走行空間を確保しつつ、バスターミナル2階床との段差をなくすことに配慮しています。 橋脚の位置は、バスの走行軌跡の分析をもとに設置した模擬柱を使って、現地で行ったバス走行試験④によって安全性を確認しています。 現在、このペデストリアンデッキは博多駅南側のHEARTSバスステーション博多まで延伸され、歩行者ネットワークが拡大しています。③博多駅ペデストリアンデッキ④模擬柱を使ったバス走行試験状況 道路・橋梁は、アクセス性の向上や物流コストの低減など経済活動の効率性を高め、地域経済の活性化につながる重要なインフラです。 橋梁が長期にわたって地域経済の活性化に寄与するには、設計・施工・検査・維持管理のすべてのプロセスで高い品質を確保することが重要と考えています。地盤条件、交差条件、環境条件、施工条件などの情報を最大限に活かし、橋梁設計に具体化することで品質確保に取り組んでいます。 現在、九州縦貫自動車道鹿児島線の鳥栖ジャンクションと久留米インターチェンジとの間に味坂スマートインターチェンジ(仮称)を新たに開設するプロジェクトが進められています。 スマートインターチェンジが整備されることにより、物流の効率化、周辺開発や企業誘致が促進され、地域経済の活性化に期待が寄せられます。 わたしたちは、味坂スマートインターチェンジへのアクセス道路である県道鳥栖朝倉線が西鉄天神大牟田線をまたぐ道路橋の設計に携わりました。 鉄道をまたぐ道路橋は跨線橋と呼ばれ、鉄道の安全運行を確保するためにさまざまな条件が必要となります。これまで、跨線橋を数多く設計してきた実績を活かし、鉄道事業者との協議、設計条件、施工方法の提案を行っています。 設計完了時には、新たな取り組みとして、3次元モデルを用いた施工ステップシミュレーションを作成しました。設計箇所は、鉄道と堤防道路が近接した狭隘な区間でしたが、現道交通を切り回しながら跨線橋が完成するまでの施工ステップを3次元モデル⑤でわかりやすく提案することで、施工の留意点を確実に施工プロセスに引き継ぐことができました。⑤跨線橋計画の3次元モデル安全で快適なペデストリアンデッキ地域経済の活性化につなげる
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