⑦暫定2車線側の既設橋梁11 災害に強いネットワーク構築のひとつである道路4車線化整備は、円滑な交通の確保、緊急輸送道路としての機能強化、地域活性化が期待されます。大木大川バイパスは、三潴郡大木町から大川市まで暫定2車線で供用されている一般国道442号線であり、現在、4車線化事業が進められているもののひとつです。 このうち大木高架橋は、西鉄天神大牟田線、県道久留米柳川線、町道をまたぐ橋長430mの道路橋であり、わたしたちは、橋梁予備設計、橋梁詳細設計に携わっています。 道路橋4車線化の予備設計⑥では、鉄道、県道、町道をまたぐ箇所のそれぞれの交差条件をふまえて、経済性、構造性、施工性、景観・環境性、維持管理を総合的に評価して、下部工位置の設定、橋種の選定を行いました。 県道久留米柳川線の跨道部では、道路交差点の信号施設の移設をともなわない位置に下部工を設置しています。さらに、鉄道跨線部の桁下空間には、鉄道の建築限界にメンテナンス空間を加えた高さを確保するとともに、鉄道用地境界と下部工柱の間にも定期点検が可能となる維持管理スペースを確保するなど周辺施設への影響ならびに今後の維持管理に配慮しています。 供用中の暫定2車線側の既設構造物⑦との近接施工については、既設下部工の底版下面よりも新設下部工の底面高が高くなるように計画し、既設下部工を支えている基礎杭の周辺地盤の緩みが生じないように配慮しています。近年、支承部に係る費用は建設費用に占める割合が高くなる傾向にあります。そこで、工事費の比較を高い精度で行うため、比較する支承形式ごとに橋梁モデルの動的解析を実施し、支承の変形量と作用力にもとづく支承形状を決定して工事費を算出しました。⑥道路橋4車線化計画のレーザー測量による3次元モデル道路橋4車線化による地域社会の発展
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