創立50周年記念誌
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14 交通結節点の強化は、わたしたちが得意とする分野のひとつです。これまで、西鉄グループの一員として、鉄道・バスの公共交通事業に携わり、人や物の輸送において重要な拠点である交通結節点の整備についても数多く手がけてきました。 交通結節点として、最初に思い浮かぶのは駅前広場の整備です。 西鉄八丁牟田駅前広場計画④は、これからの駅の利用をイメージし、駅利用者・他の交通モードによるアクセスについての安全性と利便性を追究し、憩いの空間を提供しています。用地などの制約条件や駅周辺の利用状況を入念に確認し、自治体や鉄道事業者らと綿密に連携することで、地域の意向をくみとりながら計画を行っています。 朝倉市の中心部を通る国道322号道路計画は、現道交通の安全性向上に加え、鉄道事業者の異なる2箇所の鉄道駅へのアクセス性について検討を行いました。国道は場所の離れる終端駅を■回するように平面線形が屈折しています。これを改善するため、両駅にアクセスする駅前広場を設置し、近接して両駅を再配置する駅移設案を提案し、国道の線形を直線化する計画を行いました。 これまでの業務実績を活かし、道路計画と駅移設計画を一体的に捉え、あらゆる可能性を検討することで道路改良と交通結節の複合的な問題を解決し、安全性と利便性の向上を通して地域の活性化、まちづくりに貢献しています。 県道鳥栖朝倉線道路計画⑤は、県道からスマートインターチェンジに接続するアクセス道路の整備計画です。九州縦貫自動車道鹿児島線の鳥栖JCTと久留米ICとの間に味坂スマートインターチェンジ(仮称)を新たに開設するプロジェクトであり、2018(平成30)年に事業化されました。アクセス道路は、鉄道と市道を跨線するため、計画上のコントロール条件や地形・地質条件を整理したうえで検討を進めました。 当初、市道との交差部は平面交差で計画されていたものを、立体交差に変更する提案を行いました。市道の直下には、地域のライフラインである導水管が埋設されています。また、周辺の軟弱な地盤が心配されたため、地盤の圧密沈下や側方流動に関する解析、上記の導水管の埋設位置での有限要素法解析(FEM)を行い、対策案の検討、関係機関との調整を経て、事業性と将来性をふまえて事業者に受け入れられました。この際、平面交差と立体交差、この2つの計画を比較するため、道路の完成イメージを3次元モデルで作成しました。 このスマートインターチェンジは、高速道路の有効利用や地域経済の活性化などの効果が見込めるだけでなく、スマートロジスティクス、周辺開発・企業誘致の促進など地域の拠点として成長することが期待されています。⑤上空からみた3次元モデルによる道路完成イメージ/県道鳥栖朝倉線④西鉄八丁牟田駅前広場交通の結節をつよくする

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