創立50周年記念誌
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②白木谷川流木被害21④砂防堰堤計画イメージ わが国では、近年の異常気象によって毎年のように各地で豪雨災害が発生しています。記憶に新しいのは、2017(平成29)年7月の九州北部豪雨による河川災害①です。土砂崩れでなぎ倒された大量の流木による河道閉塞によって甚大な被害②が発生しました。 わたしたちは、河川・砂防分野において九州北部豪雨の災害復旧に携わりました。 地域社会の安全・安心を支えるため、災害が起こっても被災者を生まない災害対策を目指して業務に取り組んでいます。 近年の豪雨災害は、線状降水帯の形成によって局地的に長時間にわたって猛烈な雨が降り続く傾向にあります。大量の雨が降ると、渓流内や山地のり面の木々が流木となり、土石流として土砂とともに流れ落ちることによって、下流域一帯に被害をおよぼすことがあります。 九州北部豪雨では、大量の土砂流出に加え、大量の流木が下流域に広がる市街地まで流下し、橋梁を閉塞して氾濫被害を拡大させました。土石流や流木による被害を防ぐには、土砂や木々を確実に捕捉できる砂防堰堤を上流で整備する必要③、④があります。 わたしたちは、鋼製透過型砂防堰堤を計画し、災害防止効果を高めることにしました。鋼製透過型砂防堰堤⑤は、鋼管フレーム構造の水通し部を有し、土石流の捕捉、減勢、土砂と水の分離を行います。常時・中小出水時には無害な土砂を下流に流しますが、大雨による土石流が発生した際には大きな岩や流木を含む土砂を堰き止めることが特徴です。溜まった岩・流木・土砂は次の土石流に備え取り除きます。①白木谷川土砂による河川埋没③砂防堰堤位置図河川のあるべき姿を模索して、水をめぐる問題の解決策を提案。災害復旧に対応する河川・砂防

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