⑬竹馬川防潮水門⑭竹馬川水門機械室24 福岡県内の建設後50年以上経過する河川管理施設は約5%となっており、20年後には約43%まで増加し、今後ますます施設の老朽化が進む状況下にあります⑫。 老朽化が進行している河川管理施設は、中長期的な展望で長寿命化対策を推進し、維持更新にかかるコストの縮減と平準化を行いつつ、安全を確保していく予防保全が求められています。 わたしたちは、福岡県が管理する「竹馬川防潮水門」の点検・診断の業務⑬を行っています。 この業務では、修繕および改築のスケジュール、点検整備などの内容、頻度、費用で構成される「長寿命化計画」を策定しています。 この水門は、1987(昭和62)年3月の竣工後、約36年を経過していますが、機械電気設備・土木構造ともに比較的に高い健全度を保っていることが診断によってわかりました。 機械電気設備⑭については、これから60年間の長期保全計画や効率的な点検を進めるための維持管理計画を策定しています。土木構造物の損傷はありませんが、劣化の進行度合いは「加速期」であったため、これからの補修シナリオ、健全度に応じた補修工法と補修工事費を提案しています。 今後も地域社会を土石流から守るための防災減災、河川堤防の安全照査と浸水対策、河川本来がもつ川らしさの保全と創出、施設の維持管理を戦略的に進めるための長寿命化計画の策定に取り組んでまいります。河川・砂防分野においても新設から維持管理の時代に移り変わるなか、わたしたちはSDGsの観点でサステナブルな環境づくりに取り組んでいきます。地域の景観、歴史、文化、観光といった「資源」のもと、地域の創意に富む「知恵」を活かしていくことが大切であると考えています。水源から河口に至るまでさまざまな姿を見せてくれる河川、河川の流れで潤う街、これらを融合する、より良い空間整備を目指していきます。⑫河川管理施設の老朽化割合(出典:福岡県河川管理課資料)河川・砂防河川管理施設の長寿命化に挑むこれから目指すもの
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