創立50周年記念誌
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28 西日本鉄道の踏切道には多くのインフラが埋設されており、わたしたちはこのような施設の耐震化や更新にともなった設計・計画を得意としています。近年の事例では、軌道下の既設水道管の耐震化工事があります。 現在、西日本鉄道の鉄道路線には布設後50年以上が経過した多くの配水管が軌道下を横断しています。これら配水管の更新には耐震管を布設することで、地震時の水供給の安定化とともに、漏水を防止することで軌道の安全性を確保することができます。 軌道下の管渠敷設計画では、営業列車の安全を確保するため、開削工事を採用することは少なく、推進工事を計画することが多くなります。その際、推進区間の地質調査とともに重要となるのが、推進用の立坑周辺に地下埋設物が存在しないかを試掘調査で確認することになります。設計計画では、地下埋設物と支障しないように推進工事の平面・縦断計画を策定し、軌道に有害な変状を発生させない工事計画を立案することで、列車運行と推進工事の双方の安全に配慮しています⑭。 わたしたちが生活していくうえで重要なライフラインである上下水道施設は、老朽化が進行しているため、安全・安心なくらしのためにも更新を進めていく必要があります。鉄道路線の軌道下には、さまざまな施設が横断しており、これからの更新計画のためにも、さらに効率的で精度の高い設計と維持管理が求められています。道路下の上下水道管の埋設状況を三次元モデル化することにチャレンジしています⑮。わたしたち西鉄シー・イー・コンサルタントは、自然が与えてくれる“水”と、人びとがくらしの中で利用している“水”について、地域社会の健全な水循環を形成するため、これからもさまざまな課題に取り組んでいきます。⑮既設下水道管内の3Dスキャニング⑭軌道下横断平面計画図上下水道軌道下の安全を支える上下水道のこれから

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