29 安全・安心を提供するインフラへの要請、急速に変化する社会環境に対応するため、調査測量分野ではつぎの時代・社会の要望に応えるメンテナンスの実現、インフラ分野のデジタルトランスフォーメーション(DX)の展開に取り組んでいます。 わが国の道路橋(橋長15m以上)は、約15.8万橋に及んでおり、このうち、高速道路および直轄国道は約2.0万橋(12%)、県管理国道および県道は約4.7万橋(30%)、市町村道は約9.1万橋(58%)となっています。今後、この膨大な橋梁ストックを適切に管理し、利用していくことが重要な課題となっています。 2012(平成24)年に発生した笹子トンネルの天井板落下事故では、トンネルを利用していた一般の方が事故に遭われ、尊い命が失われました。道路の維持管理は非常に重要であることをあらためて認識し、今後このような事故を二度と起こさないよう「橋」の健全性を守っていかなければなりません。これは地域のみなさまの生命と生活を守ることと同じ意味であると考えています。 道路橋の維持管理が重要視されるなか、福岡県や県内市町村においても、法的に義務づけられた5年ごとの近接目視による「定期点検」が進められており、主な受注先の点検業務を行っています。 その状況を見据え、2017年7月の組織改正において、道路橋の定期点検業務を主体に対応する「調査チーム」を新たに設置し、創立時から存続する「測量チーム」と合併して「調査測量グループ」が誕生しました。 官公庁の道路橋点検や標識点検、鉄道構造物の定期検査など①②、これまでの測量技術のノウハウを活かしつつ、多くの点検業務を行うなか、点検業務の結果をふまえての補修設計についても対応しています。 点検に必要な資格取得にも積極的です。道路橋や鉄道橋の主な材料であるコンクリート構造や鋼構造物の専門的な知識を得るとともに、その技術力を証明する証として専門資格を取得し、構造物点検や各種の調査・分析に活用しています。取得資格は、技術士、RCCM、コンクリート診断士、土木鋼構造診断士、道路橋点検士、工事管理者(西鉄・JR認定資格)となっています。①コンクリート強度試験②西鉄橋梁の鉄筋探査状況計画および設計に必要な情報を把握するため調査・点検・測量を実施。調査測量グループの誕生調査・点検・測量
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