創立50周年記念誌
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32 西鉄天神大牟田線連続立体交差事業⑪⑫は、福岡県と福岡市が主体となり、雑餉隈〜下大利の駅を含む約5.1kmの区間で2003(平成15)年から事業が開始されました。2022年8月28日、無事に高架への切り替えが完了しました。西鉄の鉄道路線の歴史を刻む大事業の測量業務に携わることができました。 新しい高架上の軌道線形は、公共座標で管理しています。春日原連立事業は1996年から日本測地系によって開始され、雑餉隈連立事業は2007年から世界測地系によって開始されました。測量法の改正(2002年)によって、両事業区間の測地系に違いが生じたため、軌道線形をそのまま接続すると24mmのズレが生じてしまいました。 このズレが残ると軌道のレールは接合できません。ズレの解消は、両事業区間の境界を中心とする200mの範囲で1/8300の平面線形の修正を行うことで、両事業区間の線形をピッタリと接合することができました。⑪連続立体高架事業(施工中の高架上)⑫新線測量状況 県道岡垣宗像線3次元点群解析業務委託(2工区)⑬は、わたしたちが2020(令和2)年に初めて行ったUAV(ドローン)を用いた業務です。ドローンや点群処理ソフトを導入してまもないこともあり、収集データの精度を確かめるため、事前にテスト飛行⑭を繰り返し実施したうえで測量業務にのぞみました。 準備作業では、標定点・検証点の位置は、GNSS測量機器を用いるネットワーク型RTK法により座標値の観測を行い、対空標識を設置しました。ドローンの飛行では、飛行前にドローン情報基盤システム(飛行情報共有機能)に飛行計画を登録し、他の飛行と重複していないことの確認、航空機などへの情報開示による安全対策を行います。 測量成果は、縮尺1/500相当の精度を確保することができ、実測値と比較した標高差は0〜10cm以内になるなど十分なものとなり、今後につながる大きな自信となりました。⑬県道岡垣宗像線3次元点群データ⑭UAV(ドローン)操縦風景調査・点検・測量軌道線形を測るUAV(ドローン)による写真測量

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